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日本の伝統建築のあり方 [家]

kido_azusaは建築に関しては住み手の立場から現在の建築について考えてます。その中で『建築をめぐる話‥つくることの原点を考える』と題された下山眞司氏のブログで日本の伝統建築のあり方をずっと勉強させてもらっています。最近講座をやられた内容をCDでいただきました。冒頭からとてもいい文章がありましたので、孫引きさせてもらいます。
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桐敷真次郎氏(建築史家、東京都立大学名誉教授)が今から30年前に書かれたものです。タイトルは「耐久建築論――建築意匠と建築工法のあいだ――」です。日本の伝統建築に関わるところを要点書きしてみます。
①伝統的日本建築は、ていねいな維持管理をすれば寿命もかなりのものとなる
 例えば屋根であるが、瓦もタルキもはずしやすいようにつくられている。また柱も、腐りやすい下端部は根継ぎによって比較的簡単に補修できる。日本壁、ふすま、障子、タタミ、押縁下見に至っては、始めから定期的に修理、或は更新されることを前提にしている。適切なメンテナンスと結合されれば、伝統的日本建築はやはり耐久建築なのである。
②現行在来工法における木造建築の問題点
 ・柱を10㎝角でもよいとして、構造的に弱くした
 ・筋違い(すじかい)を奨励した結果、柱の上下を切り欠き、桁を突き上げ、結局金物を使えという結果になった
 ・防火性を高めると称してモルタル塗りを奨励したが、モルタル塗りの厚さが薄すぎて、亀裂による浸水が軸組を傷めてしまう。
 ・断熱性を高めると称して、壁のなかにやたらに詰物をすることが流行している。軸組が早くむれて早く腐るほうがよろしいとしているような状況である。
 ・屋根を軽くせよという一言で、瓦葺きをやめて鉄板葺きが流行した。
 ・耐震性と防火性能の向上という大義名分にもとづいて、布基礎を入れ、土台を入れボルトで緊結し、金物を多用し、屋根を軽くしたが、「便利・耐久力・意匠」といわれている建築の三大項目の二つまでを犠牲にして耐震防火を達成したところで、建築学の進歩とはとうてい言い得ない。<要約終わり>
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30年前の文章ですが、木造建築のあり方を鋭く指摘されています。30年でいろんな技術・素材は進歩していますが、結露、シロアリ対策、シックハウスなどの問題はまだまだです。新築したての家で耐震・防火・耐久性を判定する仕組みがあるようですが、果たして実態に合った判定をしているか疑問が残ります。
   <写真2枚は、梓工務店の古材をつかった上棟風景です。本文とは関係ありません>
なお原文は
  http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/ee3bcf0ef54612d65c0a7b14f6171ff0
  http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/6fcd224f2590ccff71affa107dfd407a
  http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/9c2d8fcfef42becbf55083d842d7ab8b
  http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/503b70820af1ab96f00a6c68fac9b483
  http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/59728e70cc5c0e5178ef199c8f74bbee
  http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/b344dab7259e581067d79b808239832c にあります。
タグ:伝統構法
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下山眞司

紹介、恐縮です。
当時、このようにはっきりとものを言った「専門家」は珍しい。

一般の方がたが《専門家》に頼りきり、それをいいことに《専門家》が胡坐をかく、こういう構図を何とかしないと、というのが私のブログの主旨。これをご理解いただき、大変感謝してます。
by 下山眞司 (2010-09-24 06:51) 

kido_azusa

下山さん
本当にありがとうございました。私たちのまわりにいる建築に関心のある人たちにいっぱい紹介します。《専門家》が胡坐をかくというのは、様々な世界に共通していることだと思います。それを違う視点で考え合っていく姿勢を大事にしたいと思います。
by kido_azusa (2010-09-24 08:44) 

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